アフリカ系男子のナイケルです!
僕はNPOと会社を経営しているのですが、時に日本⇄アフリカ間の海外送金をしないといけない事があります。
そして、今回は実際に起きた海外送金によるトラブルをご紹介しながら、海外送金の方法や傾向と対策をお伝えしたいと思います。
Contents
ベナンから日本へ約10万円を2回送金
今回の事件のきっかけですが、ベナン共和国から日本へ銀行間の海外送金を行った時でした。今まではベナンの会社から日本の会社への送金も比較的簡単に成功していました。
しかし、最近になって西アフリカ周辺の会社間送金の手間が、invoiceを提出しないといけなかったり、それでも却下されるケースがかなり増えてしまったのです。
そこで、ベナンの会社→僕の個人口座への海外送金を銀行の方に勧められたので、それで行うことにしました。
一度に振り込めるのが約10万円だったので、別口座から2回、約10万円を僕の口座に振り込みました。
1回目の送金は無事着金。しかし・・・
1回目に送った約10万円は、3営業日ほど経ちましたが、無事着金しました。しかし、2回目の送金分は5営業日ほど待っても一切着金していません。
ベナン側の銀行に何度も問い合わせをしたり出向いたりしても「送金は成功している」との一点張りでしたので、日本側の僕の銀行に問い合わせをしました。
すると数日後に日本側から「着金した」との連絡が入りました。
ちなみに、1回目もそうなのですが、僕の契約している銀行は、海外送金の受け取りは本人が出向かないといけないそうです。ベナンにいるから取りにいけないとお話をすると、特別対処で、親族が出向いて手数料1500円を支払い、僕がその時に国際電話で本人確認が取れればOKという、これまた面倒な受け取り方法になっています。
2回目もなんとか親族に頼んで受け取り処理をしてもらって、インターネットバンキングから入金額を確認します。自分の目が擦り切れるくらいに目をこすりました。
入金額:976円
ベナン→日本に海外送金したら10万円が976円になってしまった
自分の目に異常がないことを確認して、まずベナン側の銀行にその旨を伝えます。しかし、送金証明を見せてもらい、確かに約10万円分送金したとのこと。
今度はその旨を日本側の銀行に伝えますが、こちらも976円しか受け取っていないとのこと。
9万9千円どこにいったんですか・・・
日本側の銀行と国際電話で大バトル勃発
とりあえずベナン側は「対応するので明日また来てくれ」という対応され、翌日行くとまた「対応するので明日また来てくれ」と、ドラクエ並みに全く同じ応対しかしてもらえないので、日本側に国際電話で解決策を相談します。ここで別の事件が起こります。
対応してくれたスタッフの1人の態度が異常に悪い。
僕が「なんとか原因を追求して解決したいので、協力して欲しいのですが」というと「ハー(ため息)、やれないことはないですが、なかなか難しいと思いますよ」と言います。イラっとしてますが、解決するのが最優先なのでそのまま話します。
僕
「難しいのを承知でお願いしているのですが。」
スタッフ
「送金されたのはアフリカからですよね?であれば100%アフリカのミスだと思いますよ。」
はい、僕の逆鱗に触れてしまいました。
僕は大抵怒ることはありませんが、国や人に対して行ったことも大した経験も無いのに偏見で判断してしまうような人は嫌いです。というかこういう考え方の延長線上に差別や紛争などもあると思っていますから。
詳細は伏せますが、1時間ほどその方に説教をし、最終的はその人→副支店長→支店長にまで代わり、気がついたら10万円の話でなくて、人としてどうなの?という話が続いてしまっていました(笑)
時差があるのでこの時ベナンは午前3時です(笑)
経由銀行がいくつも存在する事が発覚
一応、帰国後に僕が直接その対応をしたスタッフに会いに行く事で話は落ち着きまして、副支店長さんに色々と調べていただくと、ベナン銀行→日本銀行の間に経由銀行があることがわかりました。
いや、経由銀行があるのは知っていました。が、その経由銀行が1つではなく、複数あることがわかりました。
日本側から追うと少なくとも、僕の銀行→日本の別の銀行→フランス語の銀行→〇〇→ベナンの銀行という経由がされているとのこと。
そしてこの〇〇は無い場合もあれば、さらに複数存在している場合があるとのことです。どんだけ経由すんね〜ん。
10万円が976円になった考えられる原因は二つ
さて、日本側の銀行の副支店長さんと話をしていて、なぜこうなってしまったのかの原因を聞くと大きく分けて二つあるということがわかりました。
①ベナン銀行→〇〇→フランス銀行のどこかで入力ミスがあるケース
②〇〇の経由銀行が尋常じゃなくありすぎて、手数料がそれぞれ引かれて976円しか残らなかったケース
どちらもマジかよって話ですが、この状況をツイートすると、①のケースで僕と同じような状況になっていた方から数名ご連絡を頂きました。
ということは、超レアなケースではなく、たまに起こるトラブルなわけですね。
経由銀行への追跡が超絶面倒
ではその経由銀行へ問い合わせてみようと思うのですが、副支店長さんに曰く「個人で経由銀行に問い合わせてもなかなか対応してもらえない」とのこと。
ではどうしたらいいかというと、入金側か送金側にお願いする形になります。基本的には電話ではなくメッセージを送信するそうで、これが同じ国同士なら帰ってくるのは早いそうですが、他国の経由銀行だと、対応が遅かったり、下手したら永遠に返ってこない可能性もあるとのことです。え?
さらに日本側からの場合、その銀行は手数料が4,000円かかり、さらに各経由銀行も手数料を取るので、合計は数万円になることもあるそうです。
ああ、なんか迷宮入りのフラグ立ってきた(涙)
もう一度ベナン側の銀行の支店長に相談すると奇跡が
もう返ってこないのかなぁと途方に暮れながらも、持ち前のアフリカ魂で現地スタッフと再度ベナン側の銀行に行き、待ちまくって支店長までたどり着いて、事情を説明。もう一回送金レポートを調べてもらうと・・・
あ、ミスってる。
なんとベナン側が現地通貨CFAと円のレートを思いっきり間違えて計算して送金していたことがわかりました。おい〜
わかりやすく説明すると、
ベナン現地通貨CFAで約10万円分を送金(証明書有)
↓
ベナン銀行スタッフがCFAと円のレートを超絶間違える
↓
超絶間違えレートの976円が日本側へ着金
ということになります。
これを支店長が調べてようやくわかって、その方はその担当を呼び出して僕らの目の前でボロクソに説教していました(笑)
ということで一応今、原因は分かり再送金されているのですが、まだ無事着金していないので、解決!と100%言い切れません(笑)
こうなっちゃった場合の解決策
ツイッターの反応を見る限り、僕だけに起こった事件ではないので、おそらく頻繁に海外送金をされる方(特にアフリカなどの遠い国々から)は、これからこの事件に遭遇する可能性があると思います。そうなった場合にやることは、
送金側と入金側双方から追跡をしてみる
ことが効率的に原因究明をできる可能性が高いです。
その際に大事なのは
自分が送金した金額と交換レートが間違っていないかを、レポートを出してもらい、自分の目で確認すること
となります。
泣き寝入りさえしなければ、大抵の場合は最終的には原因が分かりお金が返ってきている事が多いです。1ヶ月ほどかかるケースもあるみたいですが・・・
他に良い海外送金方法は無いのか?
とはいえ、僕のように頻繁に海外送金をする人、あるいは大金を海外送金する人、緊急でそのお金を必要とする人、など毎回送金時にこの不安を抱えるのは辛いですよね。
というわけで、他の海外送金方法について調べてみたので、ご紹介します。
ウエスタンユニオンは、銀行間ではなく、ウエスタンユニオン社の支店を経由して海外送金ができるサービスです。経由銀行がないので、今回のようなトラブルは起きにくいとは思います。しかも即着金します。
デメリットとしては国によってかなり手数料が高いところがある、受け取りには必ず誰かが窓口にいかなければいけない。といったところです。
手数料が安い国間で、受け取りに行く事が可能ならウエスタンユニオンは一つのベスト選択かもしれません。
ドルから円にしたい方と円からドルに変えたい方のように対象の方をマッチングさせて事実上は国内送金にすることで、手数料や換金による減額を減らした海外送金サービスを提供するTransferWise。
手数料はかなり抑えられますし、銀行口座間でも送金可能です。
デメリットは、ウエスタンユニオンに比べて対象の国がまだまだ少ない(日本からの送金ができても逆ができないなど)事ですかね。
「お金のWhat’sApp(海外で使われるLINEのようなアプリ)」と呼ばれるWorldRemitは、アプリを経由して主に移住者の方が低コストで簡単に送金ができるサービスを展開しています。
とにかく簡単にできるというのがメリットです。こちらもデメリットはウエスタンユニオンに比べて対象国が少ない(日本からの送金ができても逆ができないなど)というところでしょうか。
この流れをみる限り、今度対象国も増えてくるでしょうから、将来的には直接銀行間での海外送金サービスという選択肢は少なくなってくるのは間違いなさそうです。銀行側がこれに追いつく利便性やコスト減を実現するとは考えにくいので。
ちなみに僕のいるベナン共和国は、日本からの送金は対応していても、ベナンからの送金が出来ません。ウエスタンユニオンは対応しているのですが恐ろしく手数料が高いです。
最後にもう少し先にはなりそうですが、仮想通貨での海外送金サービスも将来的には上記のサービスよりもさらにコストダウンと安全性を高めたものになるのではないかと個人的には思っています。
それまで待つという方法もありますが、本当に必要なサービスだと思いますので、僕も実現のために何かできることを模索中です。
まとめ
これからまだまだ生活や仕事のグローバル化と共に、金融のグローバル化も加速していく中で、こういったトラブルの事例も増えてしまうとは思いますが、大切な事は「泣き寝入りしないこと」だと思います。
僕も随時海外送金の良い方法があり次第シェアしていきたいと思います!