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マイクロファイナンスを超える?ベナンのTontine(トンティン)という金融システムが面白い

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2018年もどうぞよろしくお願いします、ナイケルでーす。

マイクロファイナンスという言葉は皆さんよく聞いたことがあるのではないでしょうか?バングラデシュのグラミン銀行などを筆頭に、お金を借りる信用が無い方を対象に広まった小口の金融システムです。

広まった当時は本当に画期的なシステムということで僕もテンションが上がったのを覚えております。

そして、現在僕が仕事をしているこの地、ベナン共和国でTontine(トンティン)という名の金融システムがあることがわかったので、色々と調べてみることにしました。

ことの発端は、僕の同僚から

まず初めてこのTontine(トンティン)という名を知ることになったのは、1ヶ月ほど前に僕の同僚との会話の中。

 

同僚「来年(2018年)には車を買いたいなぁ」

僕「車かー。ベナンでは車は必須で必要だもんねぇ」

同僚「そうそう、ちょうど来年Tontineがおれの番だからその時に買おうかな」

僕「ああ、いいねぇ。・・・ってなんだそのトンティンって?

 

 

Tontine(トンティン)とは小口金銭相互扶助システムである

同僚「Tontineは、信頼できる人たちとグループを作って、毎月積立のようにしてお金を出し合うんだよ。そして毎月順番にその合計額を一人ずつ受け取ることができるというものだよ」

というわけで調べてみると、Tontine(トンティン)とは小口金銭相互扶助システムであるということがわかりました。

具体例を出しながら、順序立てて整理して解説していきますと、

 

①12名の信頼できるグループを作り、そのうちの一人が責任者となる

②毎月払う金額を決める(ここでは毎月10,000円ずつ払うこととする)

③貰う順番を決める(Aさんが初月、Bさんが2ヶ月目、Cさんが3ヶ月目といった感じ)

④責任者が毎月各自から10,000円を集める

⑤初月はAさんが合計金額120,000円を受け取れる(12名×10,000円)

⑥2ヶ月目はBさんが合計金額120,000円を受け取れる

⑦最後の人まで渡った時点で終了

 

という形になります。ここでは12名としたり、10,000円としたりとありますが、ここは各々で変わってきます。さらに全員への受け渡しが終わると更新するか否かの協議も行われます。

 

なぜTontineが必要なのか?

僕「でも結局もらえる額は一緒だし、Tontineって何のためにみんなやっているの?」

同僚「色々理由があって、ベナン人はもともと貯蓄をする習慣がないのと、銀行を使うのも都市部の人たちだけだから、一人だとなかなか高額な買い物が出来ないんだ。でもTotineを使うことで、それを実現できるってわけ。あとはローンも信用がなくて借りれない人も多いのもあるね」

つまりまとめると、

・ベナン人には貯蓄する習慣があまりない

・銀行は都市部の人たちが使う

・ローンをすることが出来ない人が多い

先ほどの例を振り返ってみると、Aさんは初月に1万円しか出してませんが、12万円を手に入れることが出来ましたね。Aさんは貯蓄もあまり出来なくてローンも借りられない人だった場合、このTontineのおかげで高額をゲットすることが出来たというわけです。

 

実はTontineは新しい金融システムではなかった

そして、さらに詳しくTontineを調べてみますと、実は最新の金融システムではなかったことがわかりました。少し引用しますと、、、

イタリア,ナポリ生れの銀行家 L.トンチ (1630~95) が考案した年金制度。国庫に融資する者に対し,元利の支払いに代えて終身年金を与えるもの。この場合出資者全員の応募額を元として一定率の利息額に相当する年金を始める。しかし年金総額は毎年等額であるが,出資者のメンバーは逐年死亡し減少するから,死亡者の受けるべき年金は生存者に配分されるという仕組みをもつ。フランスの J.マザランが 1653年にこのトンチン年金制度を確立し,ルイ 14世はこの制度を大いに利用したが国庫の重荷となり,ルイ 15世によって 1763年廃止された。

参照:コトバンク

つまり350年にこのTontineの由来になる制度が作られていたのです。

当時は年金制度的な形だったものが、時代を経て、小口金銭相互扶助システムとして進化を遂げたのですね。

 

Tontineはベナンだけではなかった

そしてもっと調べてみると、このTontineというシステムは意外にもいろんなところで採用されていることがわかりました。

まずカンボジアです。

カンボジアで爆発的に広がるマイクロファイナンス 頼母子講と銀行融資の間にあった巨大な需要 | JBpress(日本ビジネスプレス)

さらには、ガボン共和国でも使われていました。

トンティン – Espoir

 

Tontineのデメリットを考える

さて、ここではTontineに対するデメリットを考察してみたいと思います。

主に挙げられるのは、

・必ずしも自分にそのお金がくるとは限らない(途中で誰かが持ち逃げする可能性があるため)

・毎月払えなかった時のペナルティが大きい(現在の価値の数倍で払わされる)

となります。

 

Tontineの未来について考える

ここからは僕の予測の話になってしまいますが、Tontineは今後どうなっていくのか?と申し上げますと、ずばり進化したTontineが生まれるのではないか思っています。

具体的な理由としては、すでに中国で普及しているアリペイにヒントがあると思っています。アリペイは世界的に普及しているモバイル決済ですが、特徴的なのが、信用スコア制度を取っていることです。

アリペイでは、支払い履歴(ホワイトおよびブラック情報)のほか、個人の学歴や職歴、マイカーや住宅など資産の保有状況、交遊関係などをポイント化して、その人の信用スコアを定めています。

アリペイについて詳しく知りたい方はこちら

これによって、何かの決済をする際は信用スコアが高い人ほど優先されたり、手数料がやすくなるという仕組みになっています。

おそらくこの信用スコアというものは、世界的に一般化すると考えていますので、そうなると持ち逃げなどのリスクも減り、信用スコアが高い人たちがこのシステムを多用できる時代がくるのではないでしょうか?

 

まとめ

マイクロファイナンスが今世紀の金融システムの革命的なものだったのに対して、これから起こる信用スコアを重視した金融システムは、今話題の仮想通貨やブロックチェーンとの連携を経て、マイクロファイナンスよりも遥かに劇的に支払いの概念を覆すのではないかと思っています。

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